慢性的に手足に激しい痛みがある場合、どのような病気を想像するでしょうか。リウマチ、膠原病・・・。
インターネットで「手足の痛み 病気」や「四肢疼痛 原因」などと検索しても、すぐには表示されることのなかった病名。それがファブリー病でした。何年も検索し続けてやっとたどりついた病名。それは夫が子供の頃から苦しんできた症状を、どうにか治したい一心で見つけた答えでした。
そしてこのブログを立ち上げようと思った理由の一つが、もっとファブリー病のことを知ってもらい、ファブリー病患者が少しでも早期発見・早期治療に繋がるのを願ってのことです。
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ファブリー病とは
ファブリー病は、細胞内での糖脂質の分解に必要な酵素が生まれつき足りないために、全身の細胞に糖脂質が蓄積する先天代謝異常症です。この病気は、幼児期や学童期に鋭い手足の痛み、汗をかかない、おしりや陰部の赤紫色の発疹、頻回の腹痛や下痢といった症状があります。特に手足の痛みは、ストレス、高温や疲労で引き起こされ、痛みにより運動ができなかったり、不登校になったりすることもあります。これらの症状を放置しておくと青年期や中年期になって腎症状(蛋白尿、腎不全)、心症状(心臓の肥大、不整脈)、脳の症状(脳梗塞、脳出血)が出現し、年齢とともに症状が重症化していきます。
引用:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
ファブリー病は国が難病指定している「ライソゾーム病」に分類されている疾患です。また、遺伝子に変異があるため、その遺伝子を持つ人から子供に遺伝する可能性があり、家族に受け継がれていくことがあります。
ファブリー病の遺伝子が親から子どもに伝わる確率
気になる遺伝の確率ですが、ファブリー病の親の性別によって異なります。
【父親がファブリー病の場合】生まれた子供が男の子の場合、遺伝しません。逆に女の子であれば100%遺伝します。
【母親がファブリー病の場合】生まれた子供が男の子でも女の子でも、遺伝の確率は50%です。
私とファブリー病である夫は息子を授かりましたので遺伝していませんが、もし今後、女の子を授かる機会があれば100%遺伝します。
長かった病名確定までの道のり
夫は小学生の頃から、激しい手足の痛みが出始めたと結婚前に話していました。その痛みは本当に激痛で、熱が出た時がかなり辛いのだと。そして、この痛みを共通認識できるのは妹しかいなかった、とも話していました。
10代の頃から色々な病院で検査をしてきたそうです。膠原病の検査もそれに含まれていました。そして最終的に言われるのが「異常なし」との診断。こんなに痛いのに、原因がわからないなんて・・・!
夫と妹は、いつしか「得体のしれない激痛」が自分たち以外には理解してもらえない、病院にいってもどうしようもないんだ、と思うようになったといいます。
熱が出た時に症状が出るので、熱が出にくくなるようにと、扁桃腺の切除手術をすすめられ、夫が大学生の時に受けています。今思えば、必要のない手術だったかもしれません。
結局、痛みの原因となるものは、どの病院へ行っても判明しませんでした。
痛みが始まると、ただただ痛みが去っていくのをひたすら耐えるしかないといいます。特に足の裏に触れられるのを嫌がり、強いて例えるとすれば、皮膚が重度のやけどで剥けるような痛みだといいます。さするのも本人には痛みを増殖させる感じらしく、傍にいる家族は本当に何もしてあげることができません。結婚を前提におつきあいを始めて、この得体のしれない痛みのことを話してくれてはいましたが、いざ目の前で苦しんでいる姿を見ると、何もしてあげられないのが情けなく、悲しくなりました。初めて夫が苦しんでいる姿を見た時、「絶対に原因を突き止めたい!」と強く強く思いました。
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いつもの検索ワードを「汗をかけない」に変えてみた
ある時、いつもは「手足の痛み」とか「四肢疼痛」のキーワードで検索していたのですが、その時は「汗をかけない」で検索をしていました。というのも、夫は全然汗をかかない人で、最初は「汗をあまりかかないっていいなぁ。」と汗っかきの私は思っていました。しかし問題は、汗をかかない人ではなく、「汗をかけない人」だったのです。
夏の炎天下の暑さは、汗をかけない人にはかなり辛い状況です。夫は、日中外出するとすぐに具合が悪くなることが多くなってきました。以前は熱が出た時だけの症状だったのが、結婚してからは、それに限らず頻度も増していったのです。それで、とりあえず汗をかけるようになったら発汗作用で体の熱もとれるし、症状がでにくくなるだろうと検索したのがきっかけでした。
すると、意外な病名が出てきたのです。それがファブリー病でした。初めて聞く名前です。何だか怖い病気だったらどうしよう・・・そんな不安にかられながらも、そのサイトを読み込んでいくうちに、「この病気・・・きっとこれに違いない!」と確信していきました。ファブリー病の症状で、実際、夫に該当するのは以下のものでした。
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【ファブリー病の症状か不明だが、その影響かもしれない症状】
- 顔の肌荒れが酷く、皮膚科では「酒さ(しゅさ)」と言われた
- 脂漏性湿疹で通院している
では、どうすればファブリー病かどうかの診断してもらえるか。私はたくさん検索したサイトの中から、ある先生とお話してみたいと思い、失礼と思いつつ直接その病院に電話してみることにしました。
長くなりましたので、この続きは別記事にて書いていきます。