片足ずつ手術を受けることが多い、変形性膝関節症の人工関節手術ですが、私の母は一気に手術を終わらせたいと希望しました。
手術は大成功で、術後に会話した時はまだ麻酔が効いていたこともあり、「やっぱりこんなに大変な手術だから、一度で終わらせて良かった。」と話していた母でしたが・・・。
手術当日の様子は、こちらの記事です。
麻酔が切れたあとが一番心配な時期なので、術後1日目はどんな様子かとても気になっていました。
その両膝手術の翌日の様子を記録に残します。
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目次
やはり麻酔が切れたあとは・・・とっても痛い!!
手術後はすぐICU(Intensive Care Unitの略。HCUより重症の患者さんが入る。)に入った母。
術後1日目に大部屋に移動との話でしたが、予定通り問題なくICUを出られることになりました。
ICUの看護師さんより電話連絡があり、11時に大部屋に移動するとのこと。
父と一緒に10:30には病院に着いていたので、談話室で待つことに。
でも11時を過ぎても、なかなか戻ってこずソワソワしていましたが、11:40前くらいに移動してきました。
遠目に見た感じ、まだ麻酔が効いていたICUで話した時とは違い、曇った表情に見えます・・・。
無事ベッドに移り、落ち着いたところで話しかけたら、
うん、そうだよね。
すごく痛いよね。(´;ω;`)ウゥゥ
わかってはいたけど、術後すぐは麻酔が効いていたから余裕があるように見えただけで、勝負は麻酔が切れたあとの痛みとの戦いです。そして、これからリハビリも待ち受けています。
すっかり弱気になってしまっているので、がんばれ!!とも言えないし、私が言えるのは、
ということぐらいでした。
ちなみに11時にICUからの移動予定が遅れた理由は、母が吐き気をもよおしていたこと、そして看護師さんが母の体を拭いてくれていたことで若干時間を押していたとのことでした。
痛みのコントロールはどうするのか?
手術の説明会では、麻酔は局所麻酔と静脈麻酔も併用するとの話でしたが、その中で、硬膜外麻酔をやることもある、というのが気になっていました。
先生に質問したところ、片足手術の場合は、ほとんどが局所麻酔と静脈麻酔だけで終わるが、両膝手術の場合は痛みが強いので、硬膜外麻酔をすることがある、とのこと。その硬膜外麻酔とは何ですか?と聞くと、
両膝手術の場合、術後の痛みが強いので、このチューブをしばらく残しままにします。そうすれば、すぐに麻酔をかけられるので、このような処置をすることが多いです。
と説明してくれました。
どうやら手術した日は、その硬膜外麻酔を続けていたようで、母が痛みを感じ始めたのは手術した翌日の明け方頃だと話していました。
麻酔がかかっていたので母の記憶が曖昧なのですが、おそらく硬膜外麻酔のチューブを取ったのは、手術の翌朝だと思われます。先生がいらした時にチューブを抜いていたよ、と話していました。
麻酔が切れた後の痛みコントロール
ICUから大部屋に戻る前に、痛み止めを服用し、なおかつ座薬も入れたとのことです。座薬を入れた時間は10:30頃でした。
服用する痛み止めは、ロキソニンとアセトアミノフェンの併用です。
入院時にもらったお薬スケジュールには、
- ロキソニン:術後1~3日目まで毎食後1回1錠
- アセトアミノフェン:術後1~10日目まで毎食後1回2錠
と書かれています。
また座薬は、看護師さんに聞くと1日2回までとのこと。これは、かなり強い痛み止めで長時間効くけれど、腎臓に負担がかかる為に多用できないようです。
母は血液検査で、腎機能が悪いとまでは言えないが、数値が落ちていたらしく、先生からは一応1日2回までOKが出ています、とのことでした。
術後1日目からリハビリ開始!
術後、先生とすれ違った時に、
明日からはスパルタでリハビリしますね。
と声をかけられましたが、まぁ、リハビリと言っても術後1日目なんだから、極々軽いものでしょ、と思っていました。
が、しかーし、思っていたよりもハードなものでした。(^^;)
実は手術の説明会の時に、術後1~5日目までのリハビリ内容を軽く聞いてはいて、メモにも残していたのですが、母の痛がる様子に、その内容をすっかり忘れていたのでした。
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術後1日目のリハビリの様子
看護師さんからは、今日は軽いリハビリですよ~、と聞いていたので、ベッドの中だけで終わるものだと思っていました。
そして13:30に担当の理学療法士さんが来て、リハビリ開始です。
優しい語り口で母にリモコンを渡します。
しかし、車椅子を持ってきているので、母はそれが気になります。笑
リモコン使用で、問題なくベッドは自分で起こせました。
そしていよいよ、車椅子に移動です。
車椅子に移動できるかどうか、リハビリ士さんに判断してもらってからトイレを利用するかどうか決まります。
術後1日目も尿管カテーテルは入っているので、おしっこは問題ないのですが、便に関してはトイレにいけないとなるとオムツか差し込み便器の利用になります。そうなると大部屋の中、ベッドの上で用を足さないといけないのですが、なかなかトイレ以外で・・・というのは心理的にも難しいものです。
術後の経過も良いので、看護師さん側からは車椅子に移動することは問題ないとの話でしたが、判断はリハビリ士さんがします。
母は、車椅子に移動なんてどんでもない!!と思っていたので、無理無理無理!と言ってました。笑
しかしここはプロのリハビリ士さん。優しい語り口で誘導します。
(リハビリ士さんが母の足持ってゆっくり動かしながら)はい、ゆっくりね。そうそう、ベッドの横に腰かけてみようね。
母の顔を見ると、とても痛そうです。
膝は伸ばしている方が楽、と言っていて、曲げる時に苦痛の表情です。(;_;)
とにかく手術で切った傷の痛みが強く、足が重たいと言っています。自力で足を持ち上げるのはとても無理でした。
それでもリハビリ士さんの手を借り、お尻をすりすりさせてベッドの端に移動。足もゆっくりベッド下におろし、靴を履きます。
スリッパ等の履きやすいものだと、足を引っかけやすく転倒の危険性が高くなるとのことで、この病院では、歩きやすい運動靴で入院時は過ごすことになっています。
最初の難関、ベッドから車椅子への移動は、リハビリ士さんに抱えられながらも、どうにかできました。
これでトイレに行くことができそう、良かった!
ホッとしたのも束の間、リハビリ士さんが車椅子を押して部屋を出ます。
向かった先は、なんとリハビリ室!
本当に優しい接し方だけど、内容はなかなかのスパルタ。(^^;)
でもこの努力があってこそ意味を持つ手術・・・家族は見守ることしかできないけど、心でがんばってー!!と祈るような気持ちです。
なお、リハビリ士さんはとっても褒め上手です。笑
きっとそれに乗せられてる部分は大きいでしょう。
立ち上がる時はものすごく痛い様子で、母は苦痛の表情でしたが、リハビリ士さんも汗びっしょりになりながら母の体を支えてくれています。
立ち上がってから10秒カウント。
それを3回やったのち休憩。
さぁ、これで終わりかな、、、と思ったら。
( Д ) ゜ ゜ポンッ
あぁ、母よ・・・私だったらそこでギブアップしそうだよ。
すごいよ、かーちゃん!!
本当に術後1日目の内容なの?とびっくりさせられっぱなしでしたが、この日にできたことが、その後の母の自身に繋がっているように思います。
リハビリ士さんの支えを受けながら平行棒につかまり、立ち上がっての足踏みは、どうにか左右の足1回ずつできました。
次は、平行棒につかまり立ち上がって向きを変えて椅子に座るのを1回。
そして最後の仕上げは・・・平行棒とリハビリ士さんの支えで2メートルくらいを歩きました。
正直、歩かせるところまでいけるとは思わなかったのですが、最初「無理無理、できないよ。」と言っていた母がここまでやれたのには感動しました。
リハビリ中は、一つ一つの動き終了毎に血圧測定をしていました。
さあ、これにて術後1日目のリハビリは終わりです。
余談
ところで、膝の手術をして同じようにリハビリを受けている患者さんは結構いらっしゃいます。
リハビリ中、母と同じように両膝手術した人がリハビリ室にいて、声をかけてくれました。
手術から13日目と言っていましたが、両手に杖をついて1人で歩いていました。
同じ痛みを経験した方からの「がんばりましょうね~。」の励ましの言葉、私もとてもありがたく感じました。
まとめ
術後1日目とはいえ、リハビリは待ってはくれませんでした。
しかし痛がって動かないと、血栓ができてしまうエコノミー症候群などの危険性が高まります。
ここは、看護師さんやリハビリ士さんも心を鬼にして、本人がよほど痛がらない限り進めていかなければなりません。
術後1日目のリハビリ内容としては、
- 寝たまま、足首の上下運動
- 寝たまま、両足を左右に動かす運動(股関節の運動)
- 車椅子への移動
- 平行棒を使用&リハビリ士さんの支えありで、立ち上がり→足踏み→向きを変えて椅子に座る。
- 平行棒を使用&リハビリ士さんの支えありで、歩行。2メートル程度
というものでした。ただし、リハビリの内容は個人差があるそうです。
そして気になっていたトイレ事情ですが、車椅子利用と看護師さんの介助で無事に行けました。これは大きな収穫です。
この日の痛みの中でリハビリを終えられたのは、今後のリハビリにもきっと活かされると思います。
お母さん、本当に本当に、よくがんばりました!!
だから麻酔が切れたらね・・・もうとっても痛い!!!