給与や未払いの報酬など、時効があるのをご存知でしょうか?
私は実際に身に起こるまで知りませんでした。
ネットで情報を調べている中で、世の中には泣き寝入りしている方もたくさんいらっしゃることを知りました。
私の経験談が、少しでも何かお役に立てればと思い、書き残したいと思います。
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在宅でお仕事をして収入を得たい、私が強く思い始めたのが妊活を始める少し前のことでした。
でも在宅のお仕事ってどうやって獲得するのか。ネット上に溢れている情報は怪しいものが多いし、かといって何もしなければ始まらない…。
そう思っているときに、ネットで見つけた実在する事務所を構えた在宅ワーク登録会社。
ちゃんとした説明会もあり、業務委託契約でお仕事を提供するという内容でした。そこできちんと契約書も交わし、「これからは個人事業主としてしっかり責任を持ち、お仕事を請け負っていく覚悟をもってください。」と厳しく毅然とした態度で話していた社長の姿が強く記憶に残っています。そういう厳しい姿勢の人なら、きっとしっかりした会社なんだろうな!・・・その思いは報酬未払いという形で裏切られました。
仕事はチャットツールを使い、「こういうお仕事あります」と募集がかけられ、それに応募し採用されたら仕事の依頼が来るという形でした。打ち合わせや質問、時には登録しているメンバーとの全体会議もこのチャットツールで行われました。
「個人事業主として請け負う以上、仕事を受けた時に添付されている仕様書を熟読し、それを読めばわかるような内容は質問しないように」と、きつく仰っていました。それは確かに間違いないと思います。しかし、まだ慣れていない年配の新人の方が全体ミーティングの際に質問した時、全ての人が見える状態で叱責している様子は当事者ではなくても気分の良くないものでした。今思えば、そういう”振る舞い”からも後に未払い報酬という事態が起こることは予見できていたかもしれません。
ある時、クライアントとのトラブルによりお金を振り込んでもらえない為、しばらく報酬の支払いを待ってもらえないだろうか、との連絡がありました。それまでにまだ一度も報酬を受け取っていなかった私でしたが、信頼していたので気長に待ちながら仕事を受けていました。しかし相当厳しくなったのか、新規の登録はしばらくお休みするとのこと。このまま会社をたたむことも考えたが、みなさんのことを考え、どうにか少しずつでも報酬支払いをしていく為にも、苦しいが会社の存続を決めました、と訴えていました。
私はその後、妊娠の為に体調がすぐれず、続けたくても座っていられない日が続いたので、社長と相談の上、止む無く一旦登録を解除することになりました。
それから出産を終え、子育てがスタートしたので、しばらく未払い報酬のことは忘れていました。そして、やがて2年が経とうとしてる頃に封書が届きました。
未払いについての進捗報告。
~~要約~~
未払いの件でクライアントやマスコミ等に連絡をしている方がいらっしゃるようですが、そうなると発注がこなくなり、さらに支払いができなくなります。それは本意ではないので、必ずお支払いするのをお約束します。これ以上マスコミ等に連絡がいきますと、さらなる悪化を招くことになるので、ご理解の程、よろしくお願いします。
~~~~~~
要は、未払いに関してマスコミ等に連絡したら支払いできないよー、ということですね。
本文の内容は丁寧な文章で綴っているようですが、なんとなく高圧的な印象を文面から感じました。それでも封書を出したということは、確かに支払い意思があるのだろうと思い、連絡が来るのを待っていました。
それからさらに1年半・・・連絡は来ませんでした。
ふとしたことから父とその未払い報酬の話になり、言われたのが
「確か給料とかの未払いには時効があったはずだから気をつけなさい。」
えーーーー、知らなかったーーーー!!( ̄□ ̄;)!!
それからすぐにネットで調べ、どうやら2年の時効があるらしいことを知りました。ただし、先方が「支払う」という意思を示したり、書面に残っていればそれから時効が伸びるらしい・・・。また相手から何の連絡がなかったとしても、こちらから内容証明書などで催促をすれば時効は振り出しにもどるようです。(詳細は忘れましたが、法律事務所の方がQ&Aで答えていたサイトと思います。)
とにかく急いで片をつけなければ「時効なんで」と先方に白を切られかねません。意を決して登録会社に連絡することにしました。内容証明書を送ることも考えましたが、まずはメールで問い合わせることにしました。
幸いなことに、返信がきました。しかし、色々書かれている中、結論としてはいつ支払うというのは明言できず約束できないとのこと。とりあえず、そのメールを受けた月末に少しでも入金できる予定ではありますよ、とのことでした。
私の未払い報酬は、ほんの数万円です。しかし体調が悪い中、単価は安かったけれど責任を持って、少しの時間でもパソコンに向かい稼いだお金です。とても価値のあるお金だと思います。会社自体は存続していますし、こんなわずかな金額を支払えないとは考えられませんでした。なるべくなら支払いたくない、と感じたのです。
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そして月末。当日まで、やはり何も連絡はありませんでした。私は覚悟を決めて、
「しかるべきところに相談いたします。」とメールをいれました。
結果・・・その数時間後、3分の2の金額が振り込まれており、メールもきました。
なるべく残りの金額も対応できるようにします、ご迷惑をおかけして申し訳ありません、と。おそらく会社の評判に傷がつくのを恐れてのことでしょう。
私はメールを送っても、らちが明かなければ、まずは市町村が提供している無料法律相談会にいくつもりでした。その後、弁護士さんの指示を仰ぎ、たとえ赤字になったとしても調停等、検討していました。それだけ、真面目に取り組んだ仕事を、しかも体調が悪い中、必死に収入に繋げたい思いでがんばった時間と労力を踏みにじられたという気持ちが強かったのです。
最初の入金から2ヶ月後、残金の請求メールをし、無事に満額受け取ることができました。
まとめ
給料、報酬とは労働したことに対する対価であり、当然支払われるべきものですが、心理的に催促しにくいもので何となく時間だけが過ぎていくのが多いと思います。
ですが、相手が支払いの意思を示してこない限り、催促をしないまま時間が過ぎれば時効となってしまいます。
私の場合、相手が無視せず対応したというのは、ラッキーなケースだったと思います。そして、ある掲示板で、未だにその会社から未払いの状態が何年も続いている人達がいることを知りました。おそらく、その方たちは何かしらアクションをを起こさなければ、今後も未払いのままと思います。
なかなか直接相手とやり取りができない状況もあると思いますが、少しでも、本来もらえるべきものを受け取りたい思いがありましたら、行動を起こすことで現状を打破できるかもしれません。