無痛性甲状腺炎とバセドウ病の違いは?同じ甲状腺機能亢進症でも違う病気?

本日、甲状腺機能亢進症の症状が出てから3回目の採血を受けてきましたが、改めて主治医から無痛性甲状腺炎とバセドウ病の違いについて説明がありました。

最初に甲状腺の病気とわかった際は、

甲状腺機能亢進症?
バセドウ病?
無痛性甲状腺炎?

どれも同じじゃないの??

と、 なんだかわかりにくくて、医師の話を聞いていてもよく理解できていませんでした。

そこで、自身の例を基に、私なりになるべく簡潔に説明できたらと思い、記録として残そうと思います。

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無痛性甲状腺炎とバセドウ病の違い

甲状腺機能亢進症の原因として考えられるのは、以下の二つがよく挙げられます。

バセドウ病

簡単に説明すると、甲状腺が過剰に作られている状態になり、甲状腺機能亢進症の症状が出ます。甲状腺機能亢進症の症状については、私が再発した際の記事にも書かれているので、お時間あればご覧ください。

更年期に再発。甲状腺機能亢進症は橋本病由来の無痛性甲状腺炎かバセドウ病か?

2020.05.22

何らかの原因で甲状腺組織に対する自己抗体が発生し、これが刺激となって甲状腺ホルモン合成が亢進してしまいます。

その自己抗体とは、TRAb(抗甲状腺刺激ホルモン受容体抗体/抗TSHレセプター抗体)という物質で、甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンを過剰に分泌します。このTRAbは正常の人には存在しません。

無痛性甲状腺炎

甲状腺は、甲状腺濾胞(ろほう)といういくつもの小さな袋にホルモンを貯めているため池のような形の甲状腺組織があり、それが何らかの理由で壊れたときに、甲状腺内に貯蔵されていたホルモンが一時的に血液中に放出される状態を、無痛性甲状腺炎といいます。

その経過としては、一気に放出された甲状腺ホルモンの影響で、

  1. 1~2ヶ月程度の甲状腺機能亢進症(甲状腺が過剰に出ている状態)
  2. 一時的に多量に放出された甲状腺ホルモンが落ち着き、ホルモン値が基準値内(正常値)になる
  3. その後、一時的に甲状腺機能低下症(甲状腺が低下している状態)に以降する場合がある

ここで注意しないといけないのは、③の甲状腺機能低下症になった場合です。

だいたいは、亢進症→正常値→低下症の流れで、甲状腺ホルモンは正常に戻るのですが、中には甲状腺機能低下症からそのまま回復しない人もいるので、その場合にはお薬の服用で甲状腺ホルモンを補充する必要があります。

現在の私は、この③の状態にならないかどうか経過を見る時期で、前回ホルモン値は正常範囲内になっていましたが、今回の血液検査が低下症の状態になっていれば、引き続き数ヶ月ごとの検査が必要です。

ちなみに私の場合、無痛性甲状腺炎の原因は橋本病であると診断されています。その理由は、甲状腺専門病院に転院した際に検査した項目、抗サイログロブリン抗体(TgAb)と、抗TPO抗体(TPOAb)という自己抗体が陽性という結果だった為です。バセドウ病の原因であるTRAbもわずかに陽性でしたが、その時は1.2とほとんど基準値(1.0未満)と変わりなかったので、橋本病であろうとの診断でした。

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まとめ

無痛性甲状腺炎とバセドウ病の大きな違いは、

バセドウ病甲状腺が過剰に作られている状態。治療は、甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬による薬物治療なので、薬を内服する必要がある。

無痛性甲状腺炎 → 甲状腺組織が壊れ、そこに貯蔵されている甲状腺ホルモンが一時的に血液中に多量に放出される状態そのため、甲状腺が回復すれば自然に治る可能性が高いので、基本的に薬の服用はせず経過観察をする。

となっています。

私は、2016年6月に橋本病(無痛性甲状腺炎の原因)の診断を受けていますが、それ以前の2015年1月にバセドウ病も発症しています。

バセドウ病の判断基準の一つであるTRAbは、その時は12.9と、高い数値でした。過剰に作られている甲状腺ホルモンを抑えるために、プロパジールという薬を飲みながら経過観察し、その後、寛解の状態が続いていました。

相反しているように思える橋本病とバセドウ病ですが、どちらも自己免疫疾患であり、このように両方発症することがあります。(同時期ではありません。)

そのため、甲状腺機能亢進症の症状が出た場合、無痛性甲状腺炎なのか、バセドウ病なのか見極めが重要となります。

そのためには定期的な血液検査が必要になります。面倒くさいと思うこともありますが、もし発症した際に早めの治療ができれば、心も体もすぐ楽になれるので、やはり通院は大事だと思いました。

私のブログでの記録が、参考になれば幸いです。

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