友人が結婚して
ロンドンに引っ越した翌年、
ゴールデンウィークを利用して
憧れの地を訪ねた。
プリムローズヒル。
その名を聞いて、
思い浮かぶミュージシャンは?
と聞かれたら、
「ビートルズ」
と答える人が多いだろうか。
私と友人にとっては、
CHAGE & ASKAだ。
お互い、10代の頃に聞いていた
想い出の曲の一つで、
曲名はズバリそのまま、
『Primrose Hill』
作詞、作曲共に
CHAGEさんだ。
友人には
色々な場所を案内してもらったが、
やはり印象深いのは、
プリムローズヒル。
そこに連れて行ってもらった日の朝、
「イギリスのお弁当は簡単でいいよ!」
そう言って、
パパっと作ったサンドイッチと
かわいいサイズのリンゴも一緒に
茶色の袋に入れて準備してくれた。
プリムローズヒルに着くまでに
他の場所にも立ち寄った。
地下鉄、徒歩で
てくてく歩く。
普段、日常生活で車移動の多い私には、
目的地に着く前に既にお疲れモード。
そこへ、友人が
「向こうがプリムローズヒルだよ!」
と声をかけた。
その言葉に興奮した私は、
また歩く元気が湧いてきた。
「おおー、ここがプリムローズヒルかー!」
私も友人も感慨深く
とりあえず、深呼吸してみる。
CHAGEさんの歌詞によると、
プリムローズヒルは
小高い丘らしい。
実際、緩やかなのだが、
いざ上ってみると、
スタミナ不足の私には
まぁまぁ足に来た。
上に登るまでに、
二人で寝転んで
写真を撮ってはしゃいだ。
すれ違う人たちは、
穏やかな表情でのんびりお散歩。
腰掛けて会話を楽しんでいる人。
寝転がって本を読んだり、
お昼寝していたりと、
のどかな雰囲気が心地よかった。
ひととおり
丘の上までの道のりを楽しんだら、
お弁当タイム。
心地よい風に吹かれながら
食べるサンドイッチは
とっても美味しかった。
りんごは、一人で食べきるのに
ちょうどいいサイズ。
友人曰く、イギリスでは
これが普通サイズらしい。
その後もしばらく
おしゃべりを楽しんだ。
「Primrose Hillの歌詞の中に、
『転がりながら 長いkissをする』
ってあったけど、
ここで転がったら危ないよね?」
と言いながらも
試そうとした私だったが、
「危ないよ~!」
そう笑いながら友人に止められた。
当時、二人とも30代だったが、
その時はすっかり、
10代の気持ちに戻っていた。
最近は、スーパーでも
かわいいサイズの
外国産りんごを見かけるようになり、
ふと、
プリムローズヒルで過ごした
まぶしい時間を想い出す。
大切な想い出の一つだ。
CHAGE & ASKA 「Primrose Hill」収録アルバム: SEE YA