結婚した年齢が既に高齢出産と言われている年だったため、不妊治療外来に行くことに躊躇しなかった私。
だんだんと「不妊治療」という言葉はよく耳にするようになりましたが、日本では、まだまだ自然妊娠にこだわる風潮はあると肌で感じています。私自身、やはり心のどこかで自然妊娠が希望でした。しかし、実際は37才の時に5回目の人工授精(AIH)で授かりました。
不妊治療には色々な意見はあるけれど、人工授精で尊い命を授かった私はこういう風に考えました。
スポンサーリンク
人工授精に関しての考え方
人工授精、体外受精・・・この言葉に嫌悪感や拒否反応が出る人は、まだ少なくないのではないでしょうか。
人工的に授精?それって、何か倫理的にどうなの?自然に授かるべきなのでは?とか。私はその考えを強く持っていたわけではないですが、心の片隅になんとなくそういう気持ちがあったのは確かです。
しかし、妊娠出産が若いうちがいいという話を10代の頃に聞いていた私は、自分は30才までには3人くらい産み終えているつもりだったけど、実際に結婚したのが35才。これは一刻を争う事態だと認識していました。それでも不妊外来に通うまでに1年半の歳月が経過していました。
人工授精(AIH)は自然妊娠に近いという考え
不妊治療に通院し始めた頃は、かなり気持ち的な焦り、時間がない!という強迫観念が強かったと記憶しています。
通院し始める前からネットで不妊治療に関して色々調べていたので、私は最初にタイミング法を勧められましたが、すぐに人工授精でお願いします!と自ら決めたのでした。
実際に自分が不妊治療を始めてから、実は人工授精は「人工」と付いているけれど、自然妊娠に近いものだと知りました。
妊娠とは、卵子と精子が受精し、子宮に着床して継続できたことを言いますが、その第一段階である、卵子と精子が出逢える確率を少し高めることができるのが人口授精です。というのは、自然妊娠で考えると、射精された精子は膣や子宮頚管(子宮の入口)を突破するのが難関なのですが、人工授精は精液を直接子宮内に注入するので、難関を既に突破し終えているのです。ちょっとだけ、卵子にたどり着くまでの距離を近道したと考えていいでしょう。
つまり、人工授精をし終えたあとの流れは、自然妊娠の子宮を突破した精子たちと同じなのです。
そのことを考えると、人工授精とは極めて自然妊娠に近いと私は考えています。
ですが、私が出産した産婦人科の先生には、不妊外来からの紹介状を読んだあとに、「試験管ベビーなのね。」と言われて、ちょっと複雑な気持ちになりました。今時、産婦人科の先生でも、そんな風な言い方をする人もいるんだなぁ・・・と。ちなみに、ソフロロジー法の出産を推奨しているおじいちゃん先生だったのですが、なかなか個性的な先生が好きでした。
5回目の人工授精で妊娠
不妊治療を始めるにあたり、色々な検査があります。
主なものとして、子宮卵管造影検査(子宮内の状態と卵管の通過性を調べる検査)、そしてフーナーテスト(精子の数や運動性を調べるテスト)がありました。
検査の結果は、私の子宮・卵巣共に問題なし。夫の精子も問題なしでした。いわゆる、原因不明の不妊と言われるものです。
そして、この子宮卵管造影検査ですが、それ自体が治療を兼ねている部分があり、その検査のあと6ヶ月は妊娠しやすいと言われているゴールデン期間と言われています。
私は4回目のAIHがリセットした時に、すぐにでも体外受精にステップアップしたいと医師に相談しました。主治医の見解としては、6回くらいまで様子を見てからでもいいんじゃないかな?というものでしたが、私はとにかく焦っていたのです!
しかし病院の方針として体外受精をする前に、病院の説明会を受けてからという手順があります。月一回しかない定員も限定されている説明会のあとにしか体外受精は受けられないので、AIH5回目と同時進行で話を進めていました。
それまでは必死な顔をして、毎回生理予定日を迎えていましたが、この5回目のAIHの時は体外受精のことで頭がいっぱいだったので、力むことなく淡々と治療を受けていました。
そんな感じで期待もせずに、定例になっていた生理予定日のフライング検査をしたところ、薄っすらと陽性。寝ぼけてた頭が一瞬で覚醒しました。
やはり、思いつめすぎるとストレスになって、それが悪影響だったのかな?と、後に思いました。
スポンサーリンク
人工授精時の痛みは?
気になる、痛みがあるか?ですが、私の経験では、
痛い時もあったし、痛くない時もあった。
でした。
痛いとすれば、
- 膣を広げる器具(クスコ)を入れる時
- 子宮に精子を注入するための管を入れる時
の2回ほどあります。
①に関しては、私は最初緊張しすぎて体がガチガチだったので、とても痛く感じました。しかし、体に力が入らないようにすれば、違和感はあれど、痛いという感じはなくなりました。コツとしては、ゆっくり深呼吸をすること。意識としては、フゥーっと細く長く息を吐くようなイメージだとうまくいくと思います。
②に関しても、①と同じように体に力が入っている状態だと結構痛いです。しかし、上記で書いたコツの深呼吸をしても痛い時はあります。それは、もうね、先生の腕なんだと思います。苦笑。
私の病院では、主治医が決まっているので先生が休みでない限りは、いつも主治医に処置をしてもらいます。なので、同じ先生でも日が違えば痛い日もあったり、痛くなかった!という日もありました。痛い日は、「先生疲れてるのかな~。」と思うようにしてました。笑
でも痛いと言っても、私はそこまで痛い!!という感じではなくて、ちょっとだけちくっと「イテテ・・・。」という程度です。例えるとすれば、子宮がん検診の時にたまに痛いことがありますが、その程度かなぁと思いました。
出血はあるの?
私の場合、人工授精処置後すぐは、ほぼ毎回出血はありました。なので、内診室に置いてあるナプキンは必ずつけて帰宅していました。
出血の期間としては、だいたい当日~翌日には治まっていましたが、処置時に痛みが強かった時は数日長引いたこともありました。
量は生理ほどではなく、おりものシートでも対応できる程度でした。
まとめ
若い頃は、不妊治療なんて無縁と思っていたけれど、高齢出産と定義される年齢で結婚したので、通院することに躊躇することはありませんでした。
それでも、できれば自然妊娠したいなぁという思いはありましたが、私は人工授精で念願の子供を授かることができました。
先にも書いたように「人工」と名前がつくけれど自然妊娠に近いもので、やはり妊娠から出産にたどり着くまでの命の奇跡には自然妊娠も人工授精も変わらない、というのが経験して思ったことです。
人工授精だから特別不安、ということはなかったですが、私の場合は高齢妊娠だったので、自然妊娠だったとしても無事に生まれてきてくれるまでは不安な気持ちだっただろうと思います。
子供の産声を聞けて初めて、不安は解けたのでした。