みなさんは、うつ病と躁うつ病の違いをご存知ですか?
実は、私は過去に「抑うつ状態」で数年間治療を受けていた経験があるのですが、どちらの病名も「うつ」という言葉が含まれているので、さほど違いがあるとは思いませんでした。
しかし、実際に母が「躁うつ病」と診断されてから、初めて「躁状態」というものを知り、買い物依存症はそれが起因になっている可能性があるのもわかりました。
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目次
躁うつ病とはどんな病気?
躁うつ病は、双極性障害ともいいます。うつ病と名前が似ていますが、躁うつ病とは違う病気です。
うつ状態というのは、普段の会話でもよく使う「憂鬱」という言葉からもわかるように、気持ちが落ちて無気力な状態を言います。
躁状態とは、うつ状態の反対で、簡単に言えばハイテンションになり活発になります。そして自信に満ちあふれているのですが、自分が絶対的に正しいと感じているので、とても攻撃的になりやすいです。また行動としてあらわれるのが、ギャンブルや買物を繰り返すということが見受けられることがあります。
躁うつ病は、この相反した二つの症状が出ます。
躁うつ病は、最初はうつ病と診断されて治療している場合が多い?
私の母がそうだったのですが、最初に心療内科を受診した時はうつ状態だったので、うつ病と診断され、お薬も服用していました。おそらく6~7年もの間、抗うつ薬(レクサプロ錠)を飲んでいたと思います。
抗うつ薬は、気分が落ちたり、憂うつ感をなくし、気持ちを明るくする作用をもっています。それを躁うつ病の人が飲むと、うつ状態が回復するだけでなく、今度は効きすぎてしまい、躁状態となってしまいます。
母は、最初に通っていた心療内科で、いつも診察時に、
とのやり取りを、何年もしていたのです・・・。実際には気分の変調等あったにもかかわらず。
心療内科の先生は、一日にたくさんの患者さんを診察し、その診療内容からも色々な患者さんに相対しなければならず、本当に大変なお仕事だと思います。先生も人間なので、時には患者さんから負のパワーを受けることもあるでしょう。また、私自信がそうでしたが、自分の苦しい状況を事細かに知って欲しい気持ちがあるので、長々とした説明になりやすく、限りある時間の中で診察をするのも一苦労だと思います。
おそらくそういう状況からか、淡々と、時には高圧的にお話される方を何人か見てきました。
母の最初の心療内科の先生は、もともと抑うつで通院していた私の先生でもあったので、診察時の感じも容易に想像できます。
母は、
という困ったちゃん患者でした。(いや、過去形じゃなく、今でもそんな感じですが。)
なので、患者である母の言葉を鵜呑みにしている先生から、適切な処方をしてもらえるはずもなく、そのまま抗うつ薬を飲み続けていたのです。
買い物依存症が出る以前に、躁状態の前兆があった。
母のうつ病治療が始まってしばらくは、私は実家住まいでした。最初にうつ病と診断されたのは私で、症状が酷い時は、母の理解と助けが何よりもの救いでした。そして私の状態が良くなりかけた時、母の異変に気付き、心療内科の受診を勧めました。(ちなみに、私と母がうつ状態になった理由は同じ原因ですが、それは追々書ければと思います。)
元々、仲の良い親子関係だったので、お互いの辛さもよくわかり、支えあっていましたが、いつ頃からか、母と衝突することが多くなってきました。
子供の頃から知っている私の母が、違う人格になったように感じました。
何かにつけて攻撃的で、絶対に非を認めません。私を見る目も冷たく、時には視界にさえ入れない態度を見せつけました。
母親大好きの私でしたが、次第に帰宅するのが苦痛になり、家に戻らない生活が続いたので、実家を出ました。原因は母の攻撃が辛かったからでした。
母が躁うつ病と診断され、その特性を知ってから、実は病気のせいで攻撃的になっていたのであって、性格が変わってしまったわけではないということに気づきました。
そして、もしこの段階で、躁うつ病と診断され、適切な治療を受けられていたら、のちに散財することも避けられたのだろうと思います。
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買物依存症発覚から躁うつ病とわかるまで。
実家を出て、母と距離を置くようになってからは、関係が改善されました。
しかし、母と二人住まいの父は当たりが強かったようです。父は滅多に子供に「困っている」というようなことは言わない人ですが、買物のことで母と言い争うことが多くなり、私に相談してきました。
次第に増える物で部屋が占領される。
母は服などのショッピングは元々好きではあったので、それが病的なことだとは最初は思いませんでした。
腰や膝が悪い母は、あまり出歩くことはなくなったのですが、テレビショッピングにハマってしまい、一日中テレビの前でお買い得はないかと座っていたようです。この時ばかりは、テレビショッピングが悪に感じてしまいました・・・。
着る機会がまったくない服や、大量の食品などを買い続けるうちに、服は山積みになり、ダンボール箱だらけです。
躁状態だと、とにかく自分を正当化するので、話し合いになりません。自分のお金を使っているのに何が悪いんだ!と怒鳴り散らします。しかし、生活費の引き落としに使っている通帳がマイナスになっていたり、と実生活に影響も出始めたので、使った金額をざっと調べてみると、100万円以上使っていたことがわかりました。全部を把握していないので、もしかしたら200万円近いかもしれません。
以前の母は、貯金の大切さを私によく話していたので、この事実がわかった時には、いったいどうしてしまったのだろう・・・と愕然としました。
転院した心療内科で、うつ病から躁うつ病と診断
買物の話になると、父だけではなく、私にも攻撃的でした。
とにかく話にならないので、本当に困り果てていました。
買物が異常に増えたとわかった時は、最初に受診していた心療内科から転院していました。とても信頼できる先生です。(転院先との出会いは、こちらから。)
母は性格的に、人に弱いところを見せたくないので、つい診察の時にも「大丈夫ですよ~。」とか言ってしまうことがよくあるので、この先生の病院に変わってからは、必ず私が付き添うようにしています。
母の買物しまくる行為が何かはわかりませんでしたが、先生に相談しました。それまで、前病院のお薬(抗うつ薬)をそのまま処方されていたのですが、この話をしたことにより、先生がピンときて、
これは、うつ病ではなく、躁うつ病ですね。
と、ここで初めてちゃんとした診断が出ました。
躁転したあとは必ず鬱になり、注意が必要。
躁うつ病と診断されたあと、先生から私だけが呼ばれました。
と、言われました。
躁転とは
“うつ病”患者への抗うつ薬処方によっていわゆる“躁転”と呼ばれる現象が起こることがあります。躁転は、治療開始以前には躁的エピソードが皆無で、それゆえに“うつ病”と診断されているケースでも起こります。このような場合には、見かけ上は“うつ病”のようであっても、実態は双極性障害だと考えることもできます。
引用:https://www.shinjuku-mental.com/melancholy/bipolar-disorder/
母の買物依存症、攻撃的な態度は病気が原因であるとわかって、安心した気持ちはありましたが、先生にそう言われて心臓がドキドキしていました。しばらくは父と連携を密にして、母に変化があればすぐに受診するようにしていました。
幸いなことに、酷い鬱状態になることはありませんでしたが、やはり寝たきり状態が続いたりと、本人には辛い時間だったようです。
その後、細かい薬の調整が続き、安定した状態を保てる薬の量が決まりました。季節的な影響もあったりするので、毎回の診察で状況を説明し、微調整することもありますが、基本的にはメインにバルプロ酸を服用しています。
まとめ
私の母の経験談として、最初はうつ病と診断されていたのが、買物依存症きっかけに躁うつ病と診断されるまでの経緯でしたが、思い当たる節がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしあなたの身近な人が、急に買物をしまくるようになったり、攻撃的な言動を繰り返すなどの変化に気付いた時は、注意深く見てあげてください。
今までのその人の人格からは信じられないような態度には、何か病気が隠れているかもしれません。