乳児連れの飛行機移動で受けた真心の接客。人財を大切にする企業が増えて欲しい。

初めて乳児を連れての飛行機は、不安だらけでした。


泣いてしまったらどうしよう。

他の搭乗者から、露骨に嫌な態度や文句を言われたらどうしよう。


いくらネットで対応策を調べても、いざ搭乗すると不安な気持ちに支配され、体力的にも精神面でも消耗しました。

しかし、その機内で私は最高の接客をしていただき、ホッとした安心感と共に長距離移動を終えることができました。

その時のことを想い出すと、今でも心が温まります。

今回は、これぞ接客の極意と感じたエピソードを書きたいと思います。

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乳飲み子を連れて、余命宣告されたおじに会いに行く

子供もが生後4ヶ月頃、遠方にいるおじが、末期の肺がんで余命宣告をされたと連絡がありました。


「親父が元気なうちに、会いに来て欲しい。」


いとこからのお願いでした。

産後の体調不良からくる不安な長距離移動

会いに行くことは即決でした。

しかし、その時の私は産後に甲状腺機能亢進症を発症、そして出産による骨盤臓器脱もあり、体力的にも精神的にも不安定な状況でした。

インターネットでは、乳児を連れて飛行機に乗ることに否定的な意見を見ることもあり、道中無事に過ごせるのだろうかと心配ばかりしていました。

なるべくミルクをあげるタイミングで飛行機の時間を合わせるのがいい

赤ちゃんが泣いたら、ミルクを飲ませて寝てもらう

泣いたら抱っこをしてあやすなど、とにかく泣き止ませる

 

対応策を何度も調べたものの、大丈夫かな?という思いは払拭できずにいました。

泣きそうな我が子に抱っこでオロオロ

ミルクを飲ませて順調かと思いきや、しばらくすると、ぐずぐず泣きそうな感じ。


カイカ
あぁ、どうしよう、どうしよう!


機内はぎゅうぎゅうに混んでいたわけではないですが、誰かに文句言われたら大変!!という恐怖感で、若干パニックだったと思います。

息子は、ものすごく大声で泣いたわけでもないのに・・・。

抱っこ紐で子供を胸に抱き、人が少ない場所へ移動しながら、よしよしと歩くしかない私でした。

その間も、HSP(Highly Sensitive Person/繊細で敏感な人)気質の私は人目が気になります。

そこに、救世主が現れたのです。

優しい笑顔のキャビンアテンダントさん登場


カイカ
お~、よしよし、泣かないでおくれよぉ。


とハラハラしていた私。

すると、ニコニコ笑顔でCA(キャビンアテンダント)さんが話しかけてくれました。


CA
うわぁ~、かわいいですねーーー!!


そう言うと、息子にベロベロバーをしたり、声掛けをしてくれたり。

それまで息子を泣かせないようにと、一人で必死に張り詰めた空気をまとっていましたが、一気に緩みました。

私に色々話しかけては、


CA
お母さん、大丈夫ですよ。すごく良い子ですね~。


と、さりげなく、私が安心できるような雰囲気を作ってくださいました。

CAさんは業務をこなしつつ、合間を見ては1~2名の方が声をかけてくださいました。

搭乗時間も後半になる頃、最初に声をかけてくださったCAさんが、ため息交じりに、


CA
はぁ~。
他人の私がこんなにかわいいと思うくらいなので、お母さんはもう大変ですね、かわいすぎて!


と笑顔ながら真剣な眼差しで言ってくださり、親バカの私は、心で大喜びでした。笑


そして、一枚のポストカードを差し出しました。


CA
これ、○○くんの初搭乗の記念にどうぞ。


なんと、手書きで息子あてにメッセージを書いてくださっていました。

○○くんの初フライトは
とっても良い子でしたよ!
途中からお母さんにだっこされ
スヤスヤ寝ていました!
大きくなってまたJALに
乗ってね!!


初フライト記念、そして登場した日時と便名まで記されていました。

細やかな心遣いに、感動の嵐でした。

これぞ、まさしく「おもてなしの心」。

そしてあの笑顔は真心からのものでした。

体調不良を抱えながら、乳児の息子を連れた不安な機内での時間は、着陸するまでには人の温かさに触れられた和みの時間へと変わっていました。

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一人の社員の存在で会社の評価が変わる

正直な話、結婚する前はANA派だった私。

理由は、ANAを利用した際に、親切なCAさんが多くいると感じたからでした。

JALで特別嫌な思いをしたわけではないけれど、そっけない印象はありました。

結婚を機に、JAL派だった夫の提案で飛行機利用の際はメインをJALにすることになりました。

理由は単純で、マイルが貯まりやすいから。

クレジットカードもJALカードに統一しました。

ANA派だった私は、なんとなく抵抗感はあったものの、マイルの貯まりやすさを考えると反対する理由がありませんでした。

しかし、この時のCAさんの対応で、一気にJALが好きになりました。

ただ、その会社が好きというよりは、その人の対応に惚れ込んだので、もしその方が他の航空会社に転職したと知ったならば、迷わずその人のいる会社を利用したいと思うでしょう。

それくらい価値のある、心地よい接客でした。

これはどの職種にも言えることでしょうが、こういう人こそが「人財」です。

当時、航空業界は花形に見えて、働き手としては厳しい状況にあるとテレビか何かで聞いたことがありました。

あのCAさんは、正社員なのかな?派遣社員なのかな?

ちゃんと会社に認められて、それなりの待遇を受けているかな?

そんなことを、当時、勝手に考えていたのでした。

当たり前ではない素晴らしい接客に感謝

あのCAさん達のおかげで、帰りの飛行機は、余裕の気持ちをもって乗ることができました。

こんなにも心に残る接客ができるあのCAさんは、本当に素敵な人だなと思います。

海外に行ったことがある人は、きっと経験していると思いますが、日本の接客水準はかなり高いです。

つい、当たり前に思ってしまいがちですが、素敵な接客をしてくださる方たちには、私も気持ちを込めてありがとうを伝えるよう心がけています。

まだ新型コロナの影響で、接客業の方は厳しい状況とお察しします。

気軽に飛行機を利用できないもどかしさがありますが、今は状況が良い方向にいくよう、祈るばかりです。

当たり前ではない、真心の対応に思いをはせると、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

またあの笑顔のCAさんの飛行機に乗って、旅をしたいです。

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